感染抑止のための検査規模拡大

クラスターを把握して集団感染を抑えるやり方から、一般的な接触削減へと転換することの背景には、地方のごく一部を除いて、感染経路がわからない感染者数が急増している(全体の半数を超えているといわれる)ことがあります。検査数を抑えている(いた)ことの背景にはワクチンも決定的な治療薬もない以上、患者の隔離以外には、治療と感染抑止の手立てがなく、不特定多数に検査をしたところで「どうしようもない」という認識があったようです。

しかし原田泰氏によれば、現状において、検査数(時系列と地域差を考慮)と感染者数との相関を割り出すと、表面に現われている数字よりもだいたい1.5倍程度の感染者が実際にはいると推定されるとのことです。

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検査規模の拡大は、緊急事態宣言の発令とセットであるはずです。感染経路のわからない感染実態をより的確に把握し、無症状のままウイルスを「運んでいる」人の数を減らすためにも、症状発症後のピンポイント検査ではなく、不特定多数を対象とする大規模検査を早急に開始することが求められると言えるでしょう。

なお、原田氏も指摘しているように、感染実態を解明するためには、文化的な対人距離や公衆衛生政策などさまざまな要因を検討する必要があります。そのなかで、先日も触れたBCG接種と重症者数との(負の)相関について、大隈典子氏の詳しい記事を紹介します。

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