戦争大義・目的の明確化

戦争大義の壮大さ(荒唐無稽さ)および戦争目的の時空超越性(永遠の戦争以外では達成不可能な、帝政時代の版図の回復すら言い出しかねない状況)を考えると、以下のやや苦笑を禁じ得ない展開は、歴史マニアの誇大妄想とは異なる、国力に応じた戦争大義の合理化・明確化(それが可能であるとすれば、であるが)ならびに、戦争目的の限定(プリゴジンが口走っていたように、特定の戦果をもって「勝利宣言」を発し無期限停戦とすること、など)を模索することにもつながるかもしれない。

プーチン氏、ワグネル反乱後にプリゴジン氏と会談 ロシア大統領府 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

プーチン氏がプリゴジン氏と会談、反乱撤収の数日後-ロシア大統領府 - Bloomberg

会談実現は、おそらく、プリゴジンの提案をルカシェンコが取り次いだものだろう。会談の結果、プーチンもまた、プリゴジンの有用性を再認識したとするならば、過大な期待はできないものの、現場を飛び回る鋼のような野生の判断力が、国軍の官僚主義を打開し(さっそく「勝手に粛清」という話が出てきた;(12) 露探【円谷猪四郎】 on Twitter: "ゲラシモフが勝手に粛清されている件>エフゲニー・プリゴジン氏の反乱を受けて、体制強化に努めるプーチン大統領は対ウクライナ戦争を担当する最高司令官を〝粛清〟したという https://t.co/2zg5WgOrNp" / Twitterプーチン大統領の現実感覚・現場感覚を取り戻させ、戦況を流動化させていく、ということはありうる。

ここでポイントになると思われるのは、官僚主義を温存して「ダラダラと」戦争を続けるのか、それとも真の愛国主義に基づいて国民本位の戦争遂行(そういうものが存在すると仮定すれば、であるが)に徹し、どこかできっぱりとケジメを付けるか否か、であろう。

ワグネル反乱後、突如国民との接点を取り戻そうと試み初めたように見える大統領。プリゴジン効果であることは間違いないが、現実感覚・現場感覚を取り戻すきっかけとなっていることを願うばかりである。