バフムト戦局の背景は?

バフムト制圧か ロシア国防省が発表 ゼレンスキー氏を称賛 その意図は?(2023年5月21日) - YouTube

上記のニュース報道がわかりやすく伝えているように、

1.プリゴジンがワグネルによるバフムト制圧を主張し、これを国防省も認め、

2.自軍兵士の多大な犠牲の責任を国防相および参謀総長に帰してこれを鋭く非難し、

3.ワグネルはバフムトを離れる(ロシア軍に後を委ねる)とし、

4.ゼレンスキー指揮下のウクライナ軍をたたえ、

5.G7広島サミットに参加するゼレンスキーにアメリカ大統領への挨拶を託した。

これまで戦場となった諸都市の陥落とは様相を異にするように思われるが、これは戦争全体の状況にどのような影響を与えるであろうか。

少なくとも、違法であるはずの非正規軍の存在とその貢献を、それが行う手厳しい正規軍批判にもかかわらず、ロシア政府が認めたということの意義は大きいのではないか。およそ国としての指揮命令系統が整っているとは思えない展開だが、なりふり構わぬロシアとしては結果さえ得られればそれでよしということか。

しかしこの間プリゴジンが公言してきた(ロシア軍は公言してこなかった)ロシア人兵士の多大な犠牲、そして(囚人をリクルートしているとされる)民兵組織とその犠牲に依存するロシア人側の戦意にかんがみても、もはやこれ以上「もたない」ところまで来ていると言えないであろうか。