「リアリズム外交」というメッセージ

ロシア側のこの受け止めはただごとではない。

なぜ冷徹なプーチンが遺族に弔電を送ったのか…佐藤優「ロシア政界が安倍晋三を尊敬していた本当の理由」 どこまでもリアリズムで戦略的だった安倍外交 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

日本国内の受け止めはどうだったか。自省を込めて言うが、この間、故・安倍晋三元首相によって積み重ねられてきたリアリズム外交の真価は、メディアのバイアスもあってリアルタイムでは十分に認識されてこなかったのではないか。

外交・安全保障は、liberal democracyを守るための戦いだけではない。一見その流れの急先鋒であるかのように見えながら、実際にはその、NATOに収斂する西側陣営の結束を強める行動とは別のプロジェクト、とりわけインド太平洋地域の外交・安全保障という、イデオロギーからは相対的に独立に地域の安定と繁栄を念頭に置いたプロジェクトを、安倍元首相は主導していた。そうした安部外交の真骨頂(インドでの破格の扱いがそれを物語る)を正当に評価し、かつ生かすべきときではないか。

いま思えば、「発信力」という観点からみたとき、安倍外交においてイデオロギーの部分と地政学の部分とが明確に区別されていなかったのが誤解のもとではなかったか。

注目すべきは前者、安倍外交イデオロギー的部分ではなく、後者、地政学的部分の方である。全方位外交とか地球儀俯瞰外交といわれるものの真価をいま、見直したい。

 

(7/13追加)

各国首脳から「安倍は何と言っている」、日本人として誇らしい気持ちに…麻生氏弔辞 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

(7/14追加)

「世界各国からの哀悼」が意味するもの…じつは安倍元首相が成し遂げていた「離れ業」(篠田 英朗) | 現代ビジネス | 講談社(1/5) (ismedia.jp)

「日米同盟を基軸に据えた多国間協調主義」「自由・民主主義・法の支配」が安部外交の理念だったという記事。対ロシア外交については触れていない。

安倍氏は日本の「預言者」だったのか : ウィーン発 『コンフィデンシャル』 (livedoor.jp)

中露首脳の「安倍氏訃報」への反応と取材から見える日本の立ち位置 | 中国問題グローバル研究所 (grici.or.jp)

(7/26追加)

【国家の流儀】「斜陽国家」日本の汚名そそいだ安倍元首相 「国葬」は絶好の機会、世界の指導者たちの評価とズレが明るみに…恐れる一部マスコミ(1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト