「歴史の終わり」テーゼをめぐって

フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」テーゼと、そのアンチテーゼであるサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」テーゼをめぐって。

Francis Fukuyama: Putin’s war on the liberal order | Financial Times (ft.com)

Francis Fukuyama: We could be facing the end of “the end of history” - New Statesman

Is the Russia-Ukraine war a "clash of civilizations"? (theweek.com)

ウクライナ危機はやはり自由主義を守る戦争  WEDGE Infinity(ウェッジ) (ismedia.jp)

冷戦の終結はリベラル・デモクラシーの最終的勝利を意味しており、これをもって歴史における長きにわたる戦いは終結した、とする見解は、それ自体がいまや危殆に瀕している(そのことをフクヤマ自身認めている)。実際、リベラル・デモクラシーとは正反対の権威主義的政体が、ポピュリズムとフェイクによってますます拡散・拡大している。

したがって必然的にフクヤマの立脚点は、つかの間の勝利を味わったリベラル・デモクラシーはこの30年間で存亡の危機に立たされており、今回のウクライナ戦争を契機にリベラル・デモクラシーは巻き返しを図らなければならない、となる。

この見解、新たに動き出した「歴史の終結に向けた戦い」の大義たり得るのかどうかが問われるだろう。