富岳

「ものづくり、ゲノム医療、創薬、災害予測、気象・環境、新エネルギー、エネルギーの創出・貯蔵、宇宙科学、新素材」という9つの分野にわたる社会課題解決を目指してつくられたスパコン、「南海トラフ地震の予測」も視野に収めているそうです。

シミュレーションの精緻化によってどんなことが、どの程度予測可能となるか、注目したいと思います。

smart-flash.jp

ascii.jp

xtech.nikkei.com

eetimes.jp

 

進化論と自然主義(的誤謬)

「生き残ることが出来るのは、変化する者である」との進化論解釈(?)を持ち出した政党PR:

www.jimin.jp

これに対し、「⽇本⼈間⾏動進化学会」が反対の声明を出しました。

https://www.hbesj.org/wp/wp-content/uploads/2020/06/HBES-J_announcement_20200627.pdf

ポイントは2点あります。

1.そもそも進化は「「集団中の遺伝⼦頻度の変化」のことであり、個体の変容に関する⾔及[「変化することによる生き残り」、等]では」ないこと

2.「⽣物の進化 のありようから、⼈間の⾏動や社会がいかにあるべきかを主張すること」は「自然主義的誤謬」であること

 

 

精密医療による感染症対策

www.nikkan-gendai.com

【「精密医療による感染症対策」のポイント】

・感染集積地への資源集中

・検査・診断・陽性者追跡の精密化

・治療方針の確定(陽性確定でただちにアビガン投与、感染初期に抗体IgMが高くなった患者への免疫制御剤「アクテウム」投与など)

・「無謬性に縛られ、事後に責任を問われるリスクを恐れて多数意見を重んじる傾向がある」行政官を専門家会議から排除し、「分子生物学や免疫学、内科学、呼吸器病学、あるいは集中治療の方法に詳しい人材」を中心に「少数意見を評価できる専門家の議論」を行う

・「遺伝子工学情報科学を駆使し、感染者ごとにGPSで匿名追跡できるシステムの導入」

 

【その他重要事項】

「抗体検査ではまずIgMが出現し、遅れてIgGが現れるというのが免疫学的なイロハなのですが、都内の調査では、最初からIgGが出た検体がほとんど。つまり、すでにコロナファミリーに曝露されている人が多い可能性がある」

「集団免疫新説」について

S(Sakigake)型、K(Kakeru)型、G(Global)型の少なくとも3種類の型のウイルスのうち、早期の国境封鎖によりS型のみを「受け入れた」欧米では、G型の増殖と過剰な免疫反応(抗体依存性免疫増強(ADE))により多くの重症化ケースを招いたのに対し、入国制限が比較的遅くかつ緩やかだったためにS、K両型を「受け入れた」日本などアジア諸国では、とくにK型によるG型への免疫効果が効いたのではないか、との説の紹介。

diamond.jp

元が英語論文のため、日本語での詳細な学説紹介はありがたいのですが、それに続く「学説の政治的意味」の解説は(学説そのものの「異端」性もあいまって)ちょっと同意しがたいものがあります。

科学の成果を政治判断にいかに反映させるか、は重い課題です。リスク最少化のために最大限の安全策をとることは、科学的成果とは別に政治判断として求められることではないでしょうか。その意味で、「経済の停滞を避けるには、財政拡張政策を継続すると同時に、大規模な検査を実施できる能力を確立し、陽性者を隔離して陰性者の不安感を払しょくすることが不可欠である」という主張を、「素人の思い付きのレベル」と断じるのはいかがなものかと思います。

もっとも、「集団免疫を獲得する機会を得られなかった病院内で感染リスクが高く、「院内感染」対策が最重要」との(研究報告での)指摘は、きわめて重要です。

また、抗体キットのカットオフ(陰性・陽性の境)を低く設定した場合、抗体値の高低に個人差があるために、実際には抗体を持っているのにそう判定されないことが起こり得るということを念頭におきながら、G型への抗体だけでなく、K型への抗体も調べなければならない、との(これも研究報告での)指摘も重要です。